はじめに
ここでは低段位帯を初段~五段として、どんな時に乱常備/乱ノックによる練習をどうやればよいのか、という私見(独自研究)をメモしておきます。
■目的
- 私の備忘録
- 私の主観の提供
- 「こんな考えの人もいるんだなぁ」という参考のため
とりあえず適当なことを書けば、専門家からより優れた考察が出てくるだろうという期待
■目的ではないこと
- 低段位における乱ノックの推奨や否定
- 内容の正確性や正当性の保証
- 検証していないことや確証バイアスなどが含まれます
tl;dr
実施検討タイミング
- 固定配置メインの練習で壁に当たったとき、それを乗り越える過程に「ミッシングリンク」を感じたとき
- 現状の練習の延長線上に上手くなっている姿がイメージしにくい場合
- 特定のレベル帯で停滞期間が続いた結果、そのレベル帯の曲全般に癖がつき始めた場合
- 隣接同時押しを練習したいとき
- 六段ボス「Hurry Hurry(A)」対策など
- 運指の修正や変更をしたいとき
- 乱ノックによる地力上げをやってみたいと思ったとき
- 特に理由がなくても乱ノックを始めていい
実施方法
- ランダム系オプションを使ってもある程度Easy/Normalゲージでクリアできるレベル帯や曲で行う
本題
練習では「正しい」動作を「繰り返し」行う
色々なことに共通して言われていますが、学習や練習においては「正しい動作」を「繰り返す」ことが大切とされています。
楽器の演奏、野球のピッチング/バッティング、自転車競技のペダリング、筋力トレーニングなど具体例はいくらでもあると思います。
繰り返し練習することでその動作が無意識でもできるように脳(体)へ学習が強化されていきます。ただし、誤ったインプットを続けていると効果が得られないばかりかその誤った動作の学習が強化されていき、それが「癖」として定着してしまいます。
的を得過ぎ
— 毒多TKO (@Chirosamurai) 2021年12月9日
ウェイトトレーニングして競技に繋がらない理由
“・我流または専門家じゃない人に教わってフォームが不適切
・競技指導者とトレーニング指導者の連携が取れておらず、トレーニング負荷設定が不適切
・そもそも競技練習足りてない
・計画的にやってない”
我流の専門家風に教わったも追加 https://t.co/t2eXGPveva
地力を上げるための練習方法
IIDXにおいては、「ノーツをタイミングよく意図した運指で押すこと」が正しい動作と言えるかもしれません。では実際にはどのように練習するのがよいでしょうか?
少なくとも地力上げを目的とした基礎練習においては、自身が意図した運指でノーツが押せるレベルの曲を繰り返すのがよいです。特に自身ができない/苦手としているノーツ配置の練習をする場合は、以下のいずれかの練習方法が有効です。
- 正しい動作ができるノーツ密度(速度)まで落として練習する
- 正しい動作(またはそれを身につける過程)を分解して練習する
1に該当する事例
2に該当する事例
IIDXにおいてはそれぞれ以下のような方法が考えられます。
1の具体例
2の具体例
- 意図的に捨てるノーツを決めて、徐々に押せるようにしていく
- オートスクラッチを利用して皿が回せるような運指を徐々に身につけていく etc.
いずれにしても以下の2点が大切です。
- 自身ができることを増やして精度を高めていく
- 自身が何をどう間違えたか認識できる状態で練習する
というのも前述の通り、自身が見えない/押せない譜面で練習を続けても誤った動作の学習が蓄積されていき、効率のよい学習に繋がらないからです。また自身が見えている(認識できている)譜面であれば、自身がなぜ押せたのか/押せなかったのかを認識して自身へフィードバックできます。
「より低難易度帯の曲を練習する」という練習方法が推奨されることがありますが、これは高難易度の配置が低密度で出現するため、その配置を擬似的に速度が下がった状態で練習できるからです。特にアーケード版にはプラクティスモードが存在しないため、このような練習は重要になります。
乱ノックによる地力上げの検討
さて自身が苦手な配置が分かっている場合、その配置がより低密度で出現する曲を練習すればよいことは分かりました。問題はその練習するべき曲を探す(知っている)必要があるということです。また探すためには自身が苦手な配置も理解している必要があります。
- IIDX譜面用語集 - textage.cc
https://textage.cc/libscore/
練習曲の数が少ないとローテーションしているうちに癖がついてしまうため、いくつか見つける必要があります。探す方法としてはSP攻略wikiや上記のIIDX譜面集があるtextage.ccを活用する方法などがありますが、時間がかかる上に未知の苦手な配置が出る曲はそもそも探せません。
そこで検討したいのが「乱ノック」です。
ランダムオプションを使用した練習の場合、ピンポイントに苦手な配置が出ない可能性はありますが、その代わり未知の苦手な配置が出る可能性はあります。また正規譜面の密度と特徴(8分の乱打、8分の同時押しなど)さえ覚えていれば、特定の曲(正規の配置)によらず練習ができます。曲の特徴が分からない場合でも、☆7以上の曲であればSP攻略wikiに曲ごとの特徴*2が書かれているため、ページ内検索で簡単に探せます。
☆7 - beatmania IIDX SP攻略 @ wiki - atwiki(アットウィキ)
https://w.atwiki.jp/bemani2sp/pages/523.html☆8 - beatmania IIDX SP攻略 @ wiki - atwiki(アットウィキ)
https://w.atwiki.jp/bemani2sp/pages/512.html
どのように乱ノックを行うか
実際に乱ノックはどのように行うのがよいでしょうか?乱ノック中に意識することは以下の3点です。
- ランダムオプションを使用しても自身へ適切なフィードバックができる曲で行う
- ノーツを見て意図した運指で押すことに集中する
- 初見で押せなかったフレーズ(配置)でも反復時に初見の失敗を活かす
ランダムオプションの特徴は基本的にノーツがどこから降ってくるのか分からない状態でプレイすることなので*3、この状態でも自身へ適切なフィードバックがある程度できる曲で行います。具体的にはランダムオプションを使用してもEasy/Normalゲージでクリアできる程度が望ましいので、普段プレイしているレベル帯から2段階低いレベル帯からやり始めて調整していくのがよいでしょう。
ランダムでノーツが降ってくるため無意識にでもノーツをよく見るようになると思いますが、意図した運指でノーツが押せたか、無駄な動きはしていないかなど確認しながら自身の課題を解決していくように練習するとよいです。あらかじめ普段のプレイ動画を撮影して現状や課題を確認してから乱ノックを行うのがおすすめです。
また初見では押せなかったフレーズ(配置)があっても、それが曲の中で反復されることがあります。それを意識して次に同じ配置が来たときには前の失敗を活かして押すことで効率のよい学習に繋がります。
いつから乱ノックを始めるか
乱ノックによる地力上げはいつから始めればよいでしょうか?
まず、正規譜面*4のみで地力が上がっている場合や自身の課題が解決できている場合、低段位帯で特に乱ノックをする必要はないかもしれません。おそらく「低段位で乱ノックは必要ない」というご意見の方は、このような経験による生存バイアスに基づいて発言していると考えられます。
個人的には以下のような場合に始めることを検討するのがよいと考えています。
- 正規譜面のみの練習で停滞や行き詰まりを感じているとき
- 隣接同時押しの練習をしたいとき
- 運指の修正や変更をしたいとき
- 乱ノックを始めてみたいと思ったとき
特に同じレベル帯で長く停滞していると、そのレベル帯の曲全般に癖がつき始めるなど悪循環に陥る可能性があります。特に癖がつき始めると降ってきたノーツをなんとなく手馴れで押してしまい、見て押す*5といった基本的な動作ができなくなることがあります。
このような状態のときにどこからノーツが降ってくるか分からない乱ノックを始めると、降ってきたノーツを見て押すことが自然とできるようになると同時に自身の苦手な配置の練習にもなります。
☆7~9のAnother譜面を積極的にプレイしていない場合、六段ボス曲の「Hurry Hurry(A)」で必要な隣接同時押しの練習が不足しがちになりますが、乱ノックにより対策できます。
またランダムに降ってくるノーツをそれぞれ意図した指(運指)で押せたか意識することで、運指の修正や変更の場合にも有効な練習方法になります。前述の通り、事前に自身のプレイ動画を確認してから始めるのがよいでしょう。
特に理由がなくとも乱ノックを始めてみたいと思ったときに始めるのもよいです。正規譜面では出現しないような配置を見て押すことを意識しながら練習することで地力向上に繋がりますし、好きな曲のプレイ回数が増しても毎回配置が異なるため癖がつきにくいです。
まとめ
いかがでしたか?
AC版やInfinitasなどで低難易度帯の曲を練習することの意味を考察し、乱ノックによる地力上げの検討や実施方法、始める時期の目安についての私見をまとめました。
記事とは直接関係ありませんが、個人的に大切だと思っていることは「適切な課題を発見/設定」して「その原因を分析/特定」し「最適な解決策を検討/実行」することです。乱ノック自体はただの練習法(解決策の1つ)に過ぎないため、自身が何を目的にこの練習をしてるのか常に考える(考えながら練習する)ことが大切だと思います。まぁ低段位の内はどのような練習法をしていても練習量に応じた効果がある程度出ると思いますが…。
この記事が低難易度帯の方々へ何かしらの参考になれば幸いです。
割とどうでもいい日記
2021年3月末からずっとAC五段でしたが、2022年1月頭からInfinitasで☆6~8ランセレ乱ノックを続けた結果、「Hurry Hurry(A)」にランプがついたりInfinitas SP 六段に合格したりしました。
もうワイ六段ってことでええか…? pic.twitter.com/8l4gmc3xRS
— harry (@harry0000jp) 2022年1月22日
Infinitas六段合格…(下手過ぎてやばい pic.twitter.com/VyFF8jLoY6
— harry (@harry0000jp) 2022年1月26日
参考リンク
あらゆる物事の上達を早める練習の仕方ーアニー・ボスラー&ドン・グリーン
How to practice effectively...for just about anything - Annie Bosler and Don Greene - YouTubeウメハラさん「上達しないって言ってる人の共通点として、どこに向かえばいいか分かってない」
【BeasTV Highlight】 12/2/2020 Street Fighter V ガイル Guile Part 2 - YouTube